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「赤」に惹かれる日々

鼠色のカーディガンが欲しかった。
白過ぎず、黒過ぎず、程よい加減の鼠色が。
グレーのカーディガンなら何処でも扱っているだろう…と軽く考えたものの、いざ探し始めると思いの他見つからず。
無彩色でありながらも、微妙な配合が色味に影響しているのだろう。
実はグレー好きであったことに内心驚きながらも、いい加減妥協せねば…ということで、とある店舗に足を運ぶ。
色とりどりのセーターを眺めながら、さて今年はどの色にしようかと呟く自分がいる。
おいおい、グレーを探していたのではないか?と突っ込みを入れつつも、実際に手にしていたのは鮮やかなブルー。
似合わないのはわかっているが、一度は着てみたいのだ。
他にも魅力的な色が幾つもあり、限られた予算内でどれを選ぶべきか真剣に悩む。
そんな時に目に付いたのは、やはり鮮やかな赤。
濁りのない、どちらかといえばイエローベース寄りの赤だ。
「この色こそ追い求めていた色だ!」
心の中で叫ぶと同時に、私の手にはクルーネックのカーディガンとタートルネックのセーターの2枚があった。
色味は微妙に異なるものの、どちらも私好みの赤。
さっきまで惹かれていたブルーのことなどすっかり忘れ、この冬を過ごすであろう赤に想いを馳せていた。
さて、セーターの下に着るTシャツを探していたら、それこそ色味の違う赤が飛び込んできたので内心たじろぐ。
一時期、赤紫ばかりが飛び込んできたことがあるが、あの時も一瞬「疲れているのか?」と不安になったものだ。
流石に今回は「疲れている」とは思わなかったが、これだけ赤が溢れてくると「どうしたんだ、自分?」と問いかけたくもなる。
ま、鼠色が溢れるよりは多分健全だろうし、毎日赤ばかりを着る訳でもないから…と己を宥め、一枚のTシャツを手に取る。
勿論、赤を選んだことは言うまでもない。