読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

「神が来た!」

月末払いの伝票を起票する必要があった。
起票だけならさほど時間がかからないように思うが、実は内容をチェックした上で部門別に振り分けなければならない。
これら一連の作業を自分ひとりで処理出来るならどんなに楽だろう?
実際には担当者に内容確認を依頼し、その結果を受けて処理をしなければならない。
勿論、ただ黙って待ち続けるわけではない。
出来る範囲の計算を行いながら、結果が届くのを待つ。
他にも雑多な仕事があるので、当然それをこなしながらの作業となる。
さて、多くの法人がそうであるように、私が世話になっている法人もまた3月末決算である。
具体的な処理は新しい税理士の先生が行ってくれるだろうが、それ以前の処理(即ち、通常の会計処理)は私たちが行わなければならない。
実は私が起票していた伝票も、決算処理に必要な経費。
支払こそ今月末だが、経費としては3月末に計上すべきものなのだ。
そのせいか、しきりに社長が急かしてくる。
決算整理前の利益を把握したいのである。
既に支払額は確定しており、後は内容の確認さえ済めばすぐにでも起票は出来る。
ところが、担当者の一人が非常に忙しくしていたこともあり、なかなか書類が回ってこないのだ。
その書類が回ってこない限り、部門別の振り替えも出来ない。
一方で、社長はしつこく急かしてくる。
仕方がない。
不本意ながら仮入力を行った上で、貸借対照表と損益計算書を社長に手渡す。
この数字を元に、いよいよ本決算へと進んでいくのだ。
それにしても、書類は回ってこない。
これは明日になるな、と半ば諦めかけていた時にそれは回ってきた。
「よし、伝票の起票だ」
心の中で呟きながら、戻ってきた書類を見る。
何と私が仮入力した金額がそのまま記されているではないか!
修正不要となった事実に安堵したことは言うまでもない。
その後正式に伝票を起票、支払伝票と共に担当者の元へ回っていったのである。